ABABA総研は、26卒予定の大学4年生のうち、「就職活動時に生成AIを活用したことがある」という学生を対象に、「就職活動時の生成AI活用に関するアンケート調査」を行った。
就職活動時に生成AIを活用したことがある学生は4割以上
26卒予定の就活生のうち、就職活動時に「生成AIを活用したことがある」と回答した人は42.9%だった。以降の調査は、「ある」と回答した人を対象に質問を行う。
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約6割が生成AIを「エントリーシートの作成・推敲」に利用
就職活動時にどのような場面で生成AIを活用しているか質問したところ、「エントリーシートの作成に利用した」が63.3%と最も多く、次いで「エントリーシートの推敲に利用した(ブラッシュアップ、誤字脱字チェック、添削など)」が55.5%と、エントリーシートの作成段階における活用が多く見られた。企業の選考で求められるエントリーシート作成の効率化を目的として、生成AIを利用していることが考えられる。
また、比較的少数ではあるが、「面接対策に利用した」が35.5%、「自己分析に利用した」が33.9%、「業界研究・仕事研究に利用した」が26.1%など、エントリーシート作成以外の就職活動フェーズにおいても生成AIの利用が浸透していることがうかがえる。
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学生の9割以上が就職活動時の生成AI活用のメリットを実感
就職活動時に生成AIを活用することのメリットの有無を尋ねると、「とてもあった」が41.6%、「ある程度あった」が49.3%という結果で、生成AIを活用したことがある学生の9割以上が生成AIの活用についてメリットがあったと回答した。
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前問で「とてもあった」「ある程度あった」と回答した人に対し、具体的なメリットを聞くと、「効率的に就職活動を進められたので、たくさんの企業の選考に参加できた」が52.5%で最多となり、次いで「効率的に就職活動を進められたので、大学生活や趣味を楽しむ時間ができた」が39.0%と、生成AIの活用が就職活動の効率化に一定寄与していることが考えられる結果となった。また、「AIによる客観的な分析ができ、新たな自己PRのネタが発見できた」が37.7%と続き、自分を見つめ直すきっかけとしても活用されていることが分かった。
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一方、メリットは「あまりなかった」「まったくなかった」と回答した人にその理由を質問すると、「生成AIから出てきた結果に不信感を覚えたから」が50.0%で最も多く、次いで「生成AIを活用することでむしろ時間がかかってしまったから」が36.4%、「思ったような結果が生成AIから出てこなかったから」が27.3%と続いた。学生によっては想定していたクオリティのアウトプットにたどり着けなかったり、手間が増えてしまったりとネガティブな印象を抱くケースもあることが分かる。
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企業の生成AI活用に対して、8割以上が肯定的な回答
企業側の採用活動における生成AIの利用について、「良いと思う」が37.1%、「どちらかというと良いと思う」が48.6%で、肯定的な回答が8割以上となった。学生は、自らも生成AIを活用し、企業が生成AIを導入するという動きについても肯定的という現状が分かった。
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前問で「良いと思う」「どちらかというと良いと思う」と回答した人は、その理由を聞いたところ、「選考期間が短縮され、選考結果が早く出る気がするから」が最も多く43.8%。次いで、「採用のすべてではなく、一部をAIで行うことは時代の流れもあるので、許容範囲」が39.5%、「採用担当者の個人的な判断に左右されないため、平等に感じる」が39.1%、「AIが自分にマッチングする企業を探してくれ、知らなかった企業との出会いがあって良い」が33.3%と続いた。
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一方、「どちらかというと良くないと思う」「良くないと思う」と否定的な回答をした学生にその理由を尋ねると、「学生も時間をかけて選考に臨んでいるので、企業側にも真摯に対応してほしいから」「1人の人間としてではなく、データだけで判断されている気がする」が同率で51.4%、次いで「AI(機械)に人の気持ちは分からないと思うし、人を採用しているのだから人が判断するべきと感じるから」が34.3%という結果になった。感情面に訴えるような回答が大きな割合を占めている。
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また、「どちらかというと良くないと思う」「良くないと思う」と回答した人に対し、特にどの選考フェーズで活用されることに抵抗があるかという質問では、「面接(グループディスカッションなどの集団面接なども含む)の合否をAIに判断されることに抵抗がある」が54.3%で最多となり、次いで「どのような選考フェーズでもAIが合否を判断することに抵抗がある」が37.1%と続いた。一方、「書類選考の合否をAIに判断されることに抵抗がある」は8.6%と少数だったことから、否定派の中でも面接などの顔を合わせて行われる選考において、生成AIが活用されることに特に抵抗がある学生が多いことが分かる。
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生成AIは「親身になってくれる、親近感がある、頼れる」と感じる学生が3割超
生成AIそのものに対する感情について聞くと、「親身になってくれる感じがして、親近感があるし頼れる」が32.2%で最も多く、次いで「相手はAIだと分かっているので、何も感じない」が29.0%、「便利だが、どこか冷たく感じる」が21.6%、「人間のように接してくれることに、少し気味が悪いと感じることがある」が17.1%と続いた。
生成AIを機械と割り切る意見やネガティブな感情を抱く学生も一定数存在する一方で、生成AIが生活に浸透している昨今、就職活動においてもアドバイスや自分と向き合うツールとして使っているうちに、機械的なツールではなくポジティブな感情を抱く学生が増えてきていることが分かった。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査対象:2026年3月卒業予定の大学4年生
- 調査機関:ABABA
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2025年5月27日~6月9日
- 有効回答数:245名
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