SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

直近開催のイベントはこちら!

HR×Data Forum

2025年5月27日(火)@オンライン

主要製品スペック一覧

人事業務の効率・確度・精度を高めるために欠かせないHRテクノロジー。その主な製品の機能を分野ごとに比較できる資料群です。製品検討の参考資料としてご活用ください。

eラーニング・LMS<br>主要製品スペック一覧 2024

eラーニング・LMS
主要製品スペック一覧 2024

その他のスペック一覧

人事労務管理システム<br>主要製品スペック一覧 2023

人事労務管理システム
主要製品スペック一覧 2023

タレントマネジメントシステム<br>主要製品スペック一覧 2023

タレントマネジメントシステム
主要製品スペック一覧 2023

Z世代の離職を防ぐオンボーディング | 第3回

若手を離職に至らせる、“スタートアップ期(入社1~3年目)”に陥りがちな「3つの症例」とは

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena

 入社1~3年目は、「入社前の期待」と「入社後の現実」のギャップが離職理由になりやすい時期です。入社3年内の離職率を人事のKPIに設定している企業もあります。離職率低減を図るうえで最初に乗り越えるべきハードルは、1~3年目にあるといえるでしょう。今回は、入社1~3年目を「スタートアップ期」と定義し、スタートアップ期の若手社員が陥りがちな症例と、オンボーディングのポイントについて解説します。

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena

新入社員の3割以上が「3年以内に離職」

 厚生労働省の調査[1]では、大卒新入社員の入社3年以内の離職率は「32.3%」となっており、非常に高い水準にあることが分かります。

 スタートアップ期は、慣れない言葉や慣習などに戸惑い、会社になじみきれていない時期です。その中で若手社員は、組織や仕事における自分の「役割」や「可能性」を見いだそうともがいています。

 第1回でお伝えした「2つの人格」の観点でいうなら、入社までの意思決定は「個人人格」が主導していますが、入社した途端に「組織人格」が求められるようになります。未熟な若手社員は、組織人格としての「役割演技力」が足りないために、日々もがき苦しんでいるのです。

 そのためこの時期は、入社前の期待と入社後の現実のギャップから、「思っていたのと違う……」「こんなはずではなかった……」と離職に至る人が少なくありません。

 彼らの離職を防ぎ、定着を図るためには、スタートアップ期の若手社員が陥りやすい「3つの症例」を理解することが重要です。

スタートアップ期の若手社員が陥りがちな3つの症例

 3つの症例とは、「Meaning不足」「Value不足」「Power不足」です。次に、それぞれ解説します。

症例①Meaning不足

 自分の仕事に「意味(Meaning)」を感じられず、やる気を失っている状態です。心の中では、「やりたいことと違った……」という声がこだましています。

 内定を勝ち取り、期待を胸に入社したものの、実際に働いてみると「思っていたほど仕事が面白くない」と感じる若手社員は少なくありません。こうした状態が続くと、職場や仕事から逃れたいと考えるようになります。

 Meaning不足に陥っている若手社員は、仕事内容にミスマッチを感じているだけでなく、上司や同僚との人間関係がうまくいっていないケースも多々あります。個人人格を前面に出し、気の合う仲間とだけ付き合っていればよかった学生時代と違い、社会では組織人格としての役割演技力を求められるようになります。このシフトチェンジがうまくできず、個人人格と相入れない振る舞いを求められることにストレスを感じている若手社員は少なくないはずです。

 このような状態の若手社員は、「異動希望」という形でアラートを発することがあります。人事としては、「あと1年くらいがんばれば、仕事が楽しくなるよ」と言いたいところですが、「タイパ重視」の傾向があるZ世代は、短い時間でいかに大きな成果や満足を得られるかを重視する傾向があり、働くことも短い時間軸で捉えています。「1年も今の状態が続くなら他の会社に行ったほうがよい」と転職を決めても不思議ではありません。

症例②Value不足

 「仕事の評価(Value)」に対する納得感がないために、やる気を失っている状態です。心の中では、「どうしてこの評価なのか……」という不満が渦巻いています。

 就職活動で内定をもらうと、内定先企業の先輩社員からあの手この手で入社を促されます。「君なら絶対に活躍できるよ」といった声をかけられることも多いでしょう。こうして自信満々で入社した人ほど、「思っていたほど評価されない」という現実に戸惑います。同期が自分より早く昇格したり、表彰されたりすることもあるでしょう。他のメンバーが周囲から褒められたり認められたりしているのを目の当たりにすることで、自分は相対的に認められていないと感じるようになります。

 人は周囲からの承認を得たがる生き物です。特に、Z世代はこの傾向が顕著であり、仕事でも「認めてほしい」「評価してほしい」という強い欲求を持っています。逆にいえば、認められないと(評価されないと)、不平不満ばかりがたまっていくのです。

 Value不足に陥っている若手社員は、「評価への不満」という形でアラートを発します。上司や人事に、「自分の働きを見てくれていない」「正しく評価してもらえていない」といった不満をぶつけることもあるでしょう。会社としては正当に評価しているつもりでも、本人は自己認知と他者認知のギャップを受け入れられません。このような状態が続くと、「もっと自分を評価してくれる会社があるはずだ」と考え、転職という決断に至ります。

症例③Power不足

 「力量(Power)」が追いついていないために、やる気を失っている状態です。心の中には、「ついていけない……」という不安が募っています。

 多くの若手社員は、学生時代に多かれ少なかれ自分なりの成功体験を積み重ねているものです。しかし、社会人になって仕事の難しさや自分の至らなさに直面すると、学生時代の自信は打ち砕かれ、「この会社でやっていけるのだろうか……」と思い悩むようになります。特に、こうした不安に陥りやすいのが、新しい仕事を任されたときです。初めての仕事で失敗するのは無理のないことですが、上司から失敗を責められると、ますます自信を失います。

 Power不足に陥っている若手社員は、「仕事の拒否」という形でアラートを発することがあります。「私にはこの仕事は無理です」と、仕事を放棄したり、選り好みしたりするようになります。会社組織である以上、トップダウンで仕事が割り振られるのは、ある意味で当然のことです。しかし、「荷が重い」「できそうにない」と感じる仕事を割り振られ続けていると、「虐げられている」と感じるようになり、嫌気が差して退職してしまいます。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー


次のページ
3つの症例への対応策

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena
Z世代の離職を防ぐオンボーディング連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

小栗 隆志(オグリ タカシ)

リンクアンドモチベーション フェロー1978年生まれ。2002年、早稲田大学政治経済学部卒、株式会社リンクアンドモチベーション入社(新卒一期生)。人事コンサルタントとして、100社以上の組織変革や採用支援業務に従事。2014年、パソコンスクールAVIVAと資格スクール大栄を運営する株式会社リンクアカ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena
HRzine
https://hrzine.jp/article/detail/6655 2025/05/22 08:00

Special Contents

AD

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

2025年5月27日(火)@オンライン

イベントカレンダーを見る

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング

OSZAR »